札幌から世界へ!Eスポーツ特化型ホテルを手がける恒志堂が創る「未来の不動産賃貸」とは?
インバウンドの増加や海外進出など、インターナショナルな話題が絶えない不動産開発事業において、世界のどこにもない新サービスを地方で展開しているのが、札幌にある有限会社恒志堂様です。代表の佐藤元春さんは、自ら愛好するゲームの世界観をビジネスに取り込み、独自のサービスを展開。札幌の高単価物件を一手に請け負う大手サプライヤーでもある恒志堂の不動産開発部門の取り組みを伺うと共に、未来の不動産への思いについてお話いただきました。
不動産開発事業への参入のきっかけ
弊社の不動産賃貸事業のうち、民泊事業は2020年から始めましたが、そもそも民泊業にシフトしたかったというよりは、マンスリーマンションやウイークリーマンション、デイユースといった短い時間の区切りで貸し出しをしている「タイムシェア」のビジネス全体に大変興味がありました。それらの根本的なビジネス構造を理解したかったという思いが先ずあったのです。
宿泊事業に乗り出したきっかけは、元々ホテルを運営していた会社から、ホテル運営を丸ごと引き受けて欲しい、土地建物を購入して欲しいという依頼を受け事業受託をしたことに始まります。当時ホテル経営自体は初めてだったので、依頼を受けたクライアント先の胸を借りて勉強させていただくようなかたちで、基本応対等の自社マニュアルも全くないところからのスタートでした。
開始後一年半から二年くらいの間は、弊社のスタッフからスタッフをホテル側に出向し、ホテル業務を引き継いだ後はその仕事内容を分析しながら改善を図り、当社独自の運営となるようできる限り工夫や改善を重ねました。
ホテル運営立ち上げ期のこと
手稲ステーションホテルを引き継いで運営を始めてからは、もっと札幌市内で同事業を展開しようと、札幌市内の西区にある琴似(ことに)というところで新築ホテルをグランドオープンしました。 コロナ禍の2020年の3月の当時、北海道で緊急事態宣言が発動され、いきなり究極の試練に晒されたという状況下でのチャレンジでした。
フロントスタッフ、ベッドメイキング、館内清掃全て自社でスタッフを抱えていました。そんなフルメンバーの自社スタッフがばっちり揃った状況でもお客さんは限りなくゼロに近いわけです。 インバウンドも道外からの需要も見込めない状況だったので、なんとか新サービスを企画して活性化しなければなりませんでした。西区という繁華街にオープンしたので、地域の人も利用しやすいように都市型生活者向けの具体的なプランを考え始めました。 「まずは地元の人に愛される施設となるよう、知ってもらうことから始めよう」 そう思い、あらゆる手を尽くしました。コワーキングスペースとしての貸し出し、充実したキッチンスペースを大々的に宣伝した家族層へのPRなど、様々な利用プランを打ち出し、路上でチラシを配るなど地道な作業も自ら行いました。
地域の方々を味方につけた民泊運営を
実際に行動してみて気づいたのは、基本的に不動産業は地域を味方に付けて地元の方になじみなっていただくということが大切だということです。コロナ禍のような極限状況に追い込まれている環境では地域を支え合う心が育まれてゆくのを実感しました。商工会や地域のお祭り、飲食業組合の皆さんともスクラムを組んで、仕事に対してとても協力的な姿勢で接していただきました。地元との絆はより深いものに結ばれてたと感じています。
札幌での民泊事業、ホテル事業の営み
弊社で運営している民泊の総部屋数は、時間貸しのお部屋も含めると、現在108部屋あり、札幌市内の民泊業者としても大規模な部類に成長してきました。
民泊事業を始めた当初最初に引き継いだ、手稲ステーションホテルはごく一般なビジネスホテルです。東横インさんや、アパホテルさんなどを愛用されているビジネスパーソンに向け、利便性高いエリアで展開していました。その後は新築民泊で、グループで利用しやすい中長期滞在型の民泊を打ち出しました。現在はゲーミング環境までハイスペックな設備とWifiを完備した防音設備等にも配慮した専用ルームもあります。こういったソフト面の設備の充実はラグジュアリー層の利用者様に大変好評を博しています。
東日本初、日本で2番目のEスポーツ特化型ホテル
現在、VILLA KOSHIDO ODORIは東日本初、日本で2番目の「Eスポーツ特化型のホテル」防音設備とプロ用のハイスペック設備となっています。特にFPS系ゲームのプレイヤーさんは配信環境が試合の勝敗を分けるので、設備は死活問題です。ゲームに熱中した後は「寝落ち」できるような環境ももちろん整っているので、合宿などにも使っていただけます。現在はVRやメタバースがもてはやされていますが、ゲーム好きの私からするとメタバースを試した時には、
「とっくの昔にゲームで体験していた世界観だな」
という既視感がありました笑。この世界には既にVR的な概念や環境がある認識だったのです。今後当社では、広義の意味でサブカルチャー全般、いわゆる「クールカルチャー」を応援していく事業に取り組みたいです。リアルとバーチャルの架け橋を体験できる宿泊施設を創設できればと思っています。
「日本のクールカルチャー」を満載した宿泊施設で、最高の体験を!
インバウンド需要が復活するのはこれから確実に起こります。諸外国から、突然Eスポーツなどの分野がもてはやされ、外に追いつけ追い越せと発破を掛けられているかのように見えるかもしれませんが、そもそもゲームは日本で昔から盛んです。ゲームの世界はワンジェネレーション分くらい早く物事が進んでいます。宇宙の分野まで含めると、この領域は全ての分野において時代の最先端で、これと宿泊業が組み合わされればシナジー効果が生まれるのは必至です。
VTuberや配信者、プログラミング教室運営などを含め、様々なカルチャーに携わる方が賃貸マンションを利用する時に、メタバース的な空間とリンクさせながらそれらのリアルな体験を楽しんでもらえるような仕掛けができないか?と考えているのです。日本が持っている強いコンテンツ、サブカルチャーの影響は海外では絶大な市場規模を誇ります。当社はそういったカルチャーを推し進める面白い宿泊施設を実現したいと思っています。
今後の不動産開発事業について
私は生まれも育ちも札幌なので、やはり札幌/北海道を元気にしたい、貢献したいという思いがあります。もちろん世界に目を向ける機会は多く、それに対して興味や学びは深いのですが、外を見れば見るほど自分の地元への郷土愛の思いが強くなります。
自社の商品開発においても、自社ブランディングはかなり強化しています。ブランドのコンセプトとしては、車で言えばフェラーリなどの世界観です。他の追随を許さない、唯一無二のユニークなものを目指しています。具体的なペルソナを設計し、その方々の良い意味で想像を超えていくようなサービスを仕掛けたい。他の業者がやりたくてもやれない分野にも積極的に取り組んでいきたいのです。
唯一無二の空間=未来の不動産
当社の物件は、IoT家電や、非接触型家電や水回りの完全整備、紫外線滅菌のエアタオル等、10年以上かけて最高のものを配備し、オリジナル導線で設置しているので、熱狂的なファンも多く、物件を決める際に会社名を指定され、当社に直接問い合わせが来るほどです。広さは同じでも、弊社の物件は平米単価が高い物件でも、必ず借り手が付いている状態です。
自分では、ゲームでイメージ力や想像力が鍛えられた未来へ対する想像力が、今の仕事のアイディアに実装されていると自負しています。次の不動産ステージのアイディアとしては、不動産のエントランスのデザインはどんなにお洒落なところでも2〜3年で飽きが来てしまうもので、どんなに豪邸でも飽きるサイクルは人間一緒です。
これをなんとかバーチャル技術を使ってクリアできないか?プロジェクションマッピングなどの先端技術で日々の生活に美的感動や刺激をもっと生み出せないか?ということです。人間が物件に合わせるのではなく、人の自然なニーズの方に不動産の側が合わせていく時代を作っていきたいです。
エアグローバルエージェンシーについて
札幌の民泊運営で先駆的な事業をされている近江さんとは、当社が民泊事業を始めるにあたり自然と知り合いました。世界で活躍する近江さんは、ユニバーサルデザインの物件デザインやサービスに精通しているので、顧客ニーズにマッチしたサービスをクリエートするバランス感覚に長けていると思います。
知り合った当初はこちらが身構えてしまうような厳格な方にお見受けしましたが、今では良い意味で全く印象が異なり、兄弟のようにフランクで話しやすく打ち解けやすい信頼のできる方だなと思っています。空間プロデュースに関して学ぶことも多くあり、同業者としてお互いが気になることがあれば腹を割って話せる間柄の方なのでとても頼りにしています。
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