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顧客のハートを掴む国際交渉術 北海道・富裕層向け民泊の未来

北海道小樽市出身、株式会社北海道スタイルの石井秀幸取締役は、メディア運営から教育事業、観光業や高級不動産、民泊と、多岐にわたる事業を展開されています。
石井さんのビジネスのファーストキャリアは、ロシア人と互角に渡り歩く現場の貿易業。そんな男らしくもちょっぴりワイルドでアウトローなキャラクターで、テレビ等マスコミで引っ張りだこな石井社長ですが、「民泊」という言葉が世に出回るかなり前から、多くのインバウンド顧客にビジネスを展開してきました。そんな石井さんの見据える民泊の未来とは?お話を伺いました。

車のディーラー転じて「国際ブローカー」へ

約35年程前、私が17歳の頃は、車の流通規制緩和で、ロシアと日本の小樽や新潟に中古の自動車が流通するようになりました。車業界へのあこがれもあって仕事をはじめましたが、当時は代金の等価交換として、ロシア人が「蟹」で車代を支払っていました。今でも当時の名残で、北海道で蟹を扱う業者は、車のディーラーと兼業のところがとても多いのです。

貿易の仕事を通じて、私は若いロシア人の船員の人達と親しくなり、彼らが日本に滞在中に中古の家電を欲しがれば連れて行ったり、日本人のお寿司屋さんの大将に蟹を高値で買い取ってもらったりと、「小さなブローカー」として、先々で商いをしていました。「蟹」を中心として回る国際貿易です。外国人と普通に渡り歩く現場仕事がファーストキャリアだったので、若い私は怖いもの知らず、臆する間もなく交渉術は身についていきました。そのあと北海道に来た観光ブームにも参画し、そこでも蟹を扱う仕事に携わることになったのです。

食品スキャンダルの渦中に巻き込まれる

インターネットの時代が到来してからは、食品の通販事業、楽天やテレビショッピングなどの仕事もしていました。その後は食品会社の上場会社の役員などを経て、キャリアを積んできましたが、32歳の時、大阪地検特捜部の家宅捜索が入り、第三者破産をすることになりました。日本で一番古い水産業者が潰れ、そのあおりを受けての不運な出来事でした。
食品業界、とりわけ水産などの鮮度が勝負の食品は在庫を抱えることが致命傷となります。当時は大手食品業者が賞味期限の改ざんや、売り上げの水増しなどが取りざたされていました。自分が携わっている会社の破産のニュースは、当時の週刊文春のトップのカラー4ページを飾るほど大きく扱われていました。破産宣告後、2年間裁判をして敗訴という結果に終わり、判決が出てからは日本という国で仕事を続けることに、なかなか希望を見出せませんでした

家族を背負って、外国人との貿易業を再開

倒産した直後、私は中国につてがあったので、それを頼って仕事を探すことにしました。私生活では当時は6人子供がいて、食べさせなくてはならないし、背に腹は代えられません。17~8年前は中国産冷凍食品を扱う子会社の取締役も経験しました。
数年後、現地のマーケットについて精通することができたので、独立を決心し、3人の投資家から計1200万円の資金調達を経て、北海道の衣食住を発信する情報通信業を始めました。どうしても「在庫を抱えないくていい業界」に舵を切り直したかったのです。

海外大型資本に沸くニセコで、不動産の成功

2007年当時は、欧米から北海道のニセコに富裕層が遊びに来るという現象が流行していました。私はニセコの地で高級飲食店のアテンド業や、富裕層向けの運転手などをして凌いでいました。
そのあと、2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲い、日本全体の経済はひどく冷え込んでいました。しかし、北海道のニセコでは震災後初の海外投資として、総資産額世界第5位のVIPが土地を購入して物件を建築するというホットな話題が席巻していたのです。その投資家のもとで、私はスーパーエースとして傍らで働き、そのひとについて土地の取得から建設するまでのノウハウを学びました。不動産の勉強はその時仕事をしながら独学で勉強したのです。そのあと私は1万坪の土地を購入し、富裕層に特化した不動産売買業を始めたのです。

民泊黎明期から始めた不動産のインバウンドビジネス

2013年頃、世の中は中国人による「爆買い」という言葉が流行し、日本の不動産に着目されていました。私はそのような中国人インバウンドの波が日本に来るより先に、外国人との不動産売買の取引を経験していたので、いわゆる「民泊」というシステムが世の中に浸透する以前から、外国人に安く物件を貸すビジネスに携わっていました。そのため、民泊事業には自然と入り込むことができ、中国人相手に多くの不動産を売却できていたのです。

民泊のメディアマーケティング先駆者として

私はファーストキャリアのブローカーとしての印象が強い為か、マスコミ取材の際はアウトローなキャラアクター押しで世に出ることも多々あります。ニュースで「ロシア」「蟹」「北海道不動産」「インバウンド民泊」などのキーワードが上がるたびに出演依頼も多くあるので、それをなるべく断らず、月に1度は出演するようにしています。
今でこそ、マスコミで顔が売れるようになりましたが、破産した当時は、自ら広告塔となって集客するといったスタイルで、必死で仕事をしてきました。メディアマーケティングは身をもって実地で学んでいるのです。民泊のマーケットは黎明期からの肌感があり、その経験を存分に生かし、今後も先駆者として立ち回っていきたいと考えています

今後の民泊の見通し

民泊事業は今はどこに行っても満室が相次ぎ、20年近く貿易に携わってきた私の感覚では、かなりの追い風を感じています。個人的にも10室位のヴィラを購入して、自分の子供たちに経営させようかと思っているところです。私には日本人、ロシア人の子供両方がいるので、この子たちに家督を引継ぎ、民泊事業をさせたいとも思っています。彼らには私自身が経験して蓄積したノウハウを最大限生かし、世の中を明るくしていって貰いたいのです。

エアグローバルエージェンシーとのつながり

私が民泊事業を始めたころは、比較的価格帯が安いお部屋ばかり扱っていたのですが、エアグローバルエージェンシーの近江さんと出会ってからは、高級な民泊と観光業を組み合わせたスタイルに一目置くようになりました。
近江さんは、不動産業の第一種の免許を取得して、タイに直接乗り込んで、拠点をそこに持ち仕事をしています。拠点を海外に持っていながらにして、仕事を通じて一生懸命故郷に恩返しをしている姿に、自分自身のキャリアとの共通点を重ねています。
概して仕事がうまくいっている時というのは、周りの人は良い成績を上げている「数字」に着目し、評価を立てたり、批判をしたりします。しかし、ひとたび破産し全てを失うと、そういった数字は意味を失い、ひとりの人間として「人生の豊かさは何か?」ということを、否が応でも考えさせられます。破産経験がある私は、国際派でありながらも大変謙虚な近江さんの姿勢に、感銘を受けるのです。
とかく日本人は、ビジネスする際とても遠回しな表現を使ったり、抽象的な言い方をしたりしますが、近江さんの仕事のやり方は、あくまで欧米スタイル。指示を出す際も、実務で具体的に示すところから話が始まるので、長年インバウンドのクライアントやお客様と仕事をしてきている私とはとても馬が合います。近江さんは、相手に無駄に忖度するところがない、大変気風の良い方です。

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